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調剤薬局


調剤薬局 

 医薬分業が進み、町中で見かける調剤薬局の数もずいぶん増えてきた。調剤だけが薬剤師の仕事なのか、それとも他にもいろいろな役割があるのだろうか?

調剤薬局の薬剤師とは

 ここ十数年、医師が病医院内で薬を出すのではなく、処方せんを発行して、患者に院外の薬局で薬剤を受け取ってもらう「医薬分業」が急速に進展した。その背景には、病医院が薬を出せば出すほど儲かっていた「薬漬け医療」を防ぎたいという国の思惑とともに、「薬剤の提供は薬の専門家である薬剤師が行う」、という大きな理念が存在している。
 薬のスペシャリストである薬剤師が調剤業務と薬剤の提供(服薬指導)を行うことで、薬剤に関連する医療過誤を予防することができるだけでなく、患者は、いつ、どこでも処方せんさえあれば、薬剤を受け取ることができるメリットが生まれた。
 一方、こうした業務の拡大は、薬剤師が負うべき責任も増大させることとなった。医薬分業の進展により、今日の薬剤師は、薬剤に関する完全な知識、患者にわかりやすく情報を提供するコミュニケーション能力、正確に調剤を行う優れた技術が求められているのである。

主な仕事内容

調剤・服薬指導・薬歴管理・疑義照会

 主な仕事は、病医院の処方せんを持って薬局を訪れる患者に対して、医師から指定された薬剤を棚から取り出したり、散剤を分包するなどして用意し、それを手渡すことである。
 重要なのは、薬剤に関する情報(薬理・薬効、副作用、服用時間など)を、分かりやすく患者に説明・指導することである。分かりやすい「服薬指導」は、かかりつけの患者を呼び、「薬歴」に基づいた継続的な服薬ケアを可能にする。それによって、薬剤に関するケアを行うという薬局本来の機能をより発揮しやすい環境をつくり出せるのである。
 ときには、記載内容の疑わしい処方せんについて、発行元の医師に対し「疑義照会」を行う必要も生ずる。薬剤の適正使用量、飲み合わせ、患者の体質・既往歴などを勘案し、薬剤の専門家として医師に処方せんの記載が正しいかどうかを確認しなければならない。場合によっては、病理に関する基礎的な知識を求められることもあるため、日常的に幅広い学習が求められるのである。

将来のステップアップ

研究者
 教育研修の一環として、学会活動等に熱心な企業もある。研究活動を継続していくうちに、大学院への復帰や研究者の道が開けることもあるであろう。

跡継ぎ、独立
 実家の薬局を継ぐ、独立する人が多いのも調剤薬局勤務の薬剤師の特徴である。独立志向を否定しない企業も多数ありますので、独立後のイメージを持ちながら、薬剤師としての経験を積み重ねていくことも可能である。

こんな人が向いています

・じっくりと患者に服薬指導がしたい人
・ときに理不尽な患者の行動にも耐えられる人
・相手の話を聞き出すのが上手な人
・講義のノートを完璧にとるような几帳面な人
・将来個人薬局の開業を考えている人