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CRO


CRO 

医薬品をめぐる職種の中では、比較的新しい時代に生まれたCROやSMOといった治験関連ビジネス。製薬会社と病院をつなぐ架け橋として期待されている。

治験関連企業の薬剤師とは

 「治験」とは医薬品を開発・販売するにあたって厚生労働省の承認・許可をもらうために、人体への安全性と有効性を確認すべく、製薬企業が行う臨床試験のこと。
CROは「医薬品開発業務受託機関」と訳され、いわば製薬企業側の代理として治験をサポートする仕事を、SMOは「治験施設支援機関」と訳され、医療機関側を支援する仕事を行う。
 1997 年に厚生労働省が取り決めた治験に関するルール「GCP」によって、製薬企業や医療機関の役割は細かく定義された。その結果、製薬企業の作業量が膨大にふくらみ、業務効率や人的コストの軽減を求めたメーカー各社から、CRO の必要性が高まった。
 これらの企業において、薬剤師の仕事は主に製薬企業と医療施設、医療施設と患者などの間に立って、コミュニケーションを円滑にする業務を担当することとなる。薬剤の専門家としての知識を活用し、治験にかかわる多方面の人々を支援していくことが求められている。 

主な仕事内容

 CRO の主な治験支援業務は、「モニタリング業務」「データマネジメント業務」「統計解析業務」の3つである。
「モニタリング業務」は、治験が正しく進行しているかどうかを確認(モニター)する仕事である。医療施設をこまめに訪問し、交渉を重ねるなどして、スムーズな治験の進行をサポートする。
「データマネジメント業務」は、治験データを入力・修正・管理する作業。
「統計解析業務」は、治験結果(効能・効果)を統計学的に解析し、データを完成させる作業である。
 SMOは医療施設側に立つ支援業務の為、CRO の業務とは異なる。主な仕事は「治験管理業務」と呼ばれるもので、GCP の基準に沿って、進行状況の管理、記録・報告書の作成、患者への事前説明などを行う。これらの業務を行う担当者は、CRC(治験コーディネーター)と呼ばれ、高度な医療専門性とともに、円滑なコミュニケーションを実現できる、すぐれた対人能力が求められている。

将来のステップアップ

 薬剤師らしいキャリア形成を行える職種ではなく、また容易に独立できるものでもない。CROやSMOに就職した場合は、同じ企業内、業界内で着実に力を蓄えていくのが得策であかも知れない。
 ただし、まだ歴史が浅く、成長途上にある企業が多い業界で、かつ今後、さらなる需要の増加が見込める業界である。企業内で力をつけていくことで、役員へと出世し、経営に参画することも夢ではないでしょう。

こんな人が向いています

・新しい分野の仕事にチャレンジしたい人
・キャリア豊富な相手に対しても臆さない人
・細かなデータの管理が得意な人