ドラッグストア
街のあちこちにみかけるドラッグストア。安売りのイメージが強いところもあれば、ビューティケアに強いお店もある。そこで薬剤師はどんな仕事をしているのだろうか?
ドラッグストアの薬剤師とは
社会的に「ドラッグストア」という業態(商売の仕組み)の定義は、はっきりしていない。一般的には医薬品を販売し、消耗品を中心とした生活雑貨も販売している店と理解されている。しかし、調剤業務を行うドラッグストアや食料品を販売するドラッグストアがあるように、店の特徴は千差万別であり、薬剤師に求められる役割も多岐にわたる。
2006 年、46 年ぶりに薬事法が大きく改正され、2009 年からOTC(大衆薬)の販売が薬剤師以外の新資格者にも解禁されることが決まった。しかし、薬効に優れる(つまり、副作用リスクも高い)薬剤は、従来通り薬剤師のみに販売が許可される見込みとなっているため、ドラッグストアにおける薬剤師の役割は従来よりも高くなることが予想される。
OTC 販売に、サプリメントや生活雑貨、さらには調剤業務を加え、総合的に地域住民の健康的な生活に貢献していくのが、ドラッグストアの薬剤師の役割である。
主な仕事内容
OTC販売・店長業務・雑貨販売・一連の調剤業務
ドラッグストアの薬剤師にとって、もちろん「OTC 販売」業務が期待されるメインの仕事である。来店客のOTC 医薬品に関する疑問に答え、適切な商品を推奨し、適正使用を促す。場合によっては、薬効や体質を考慮し、来店客が希望する商品と異なる、別の商品を薦めなければならないケースもあるであろう。薬剤師として、もっとも大きな責任を果たす場面である。店内では、他にも多様な生活雑貨や食品も販売されているので、こうした商品についても「品出しや販売」を行う責任がある。
多くのドラッグストアでは、正社員である薬剤師に「店長」を任せているので、アルバイトの採用やシフトの調整、売上やコストの管理、仕入れの発注など、多くの業務を行う。店舗の経営を支え、利用客の期待に応える重要な仕事である。
さらに近年、調剤室を併設したドラッグストアが増えている。こうした店舗では、調剤薬局と同様の「調剤から投薬」までの一連の業務遂行が求められている。
将来のステップアップ
OTCプラス調剤業務の経験を積んで、将来、独立開業するケースが主に考えらる。
変わったケースとしては、ドラッグストアの販売形態を熟知した流通アドバイザーや商品開発アドバイザーのような仕事に就く人もいるであろう。この仕事は、どのような販売戦略や商品開発が有効かを、専門家としてドラッグストアなど各種企業へアドバイスしていき、企業との契約で報酬が決まる。
こんな人が向いています
・医薬品だけでなく幅広い商品で社会貢献したい人
・地域の拠点として多くの人に役立ちたいと思う人
・必ずしも週末が休みではなくてもOKな人
・(売場などを)工夫して、成果を残すことが好きな人
・OTC販売と調剤の両方を身につけたい人